学院長あいさつ

学院長 笹野信治

ご挨拶
 横浜訓盲学院は、日本の開港の歴史情緒あふれる横浜山手から連なる丘の上に建つ日本で唯一の私立の盲学校です。1889年(明治22年)に、創始者であるシャーロット・ピンクニー・ドレーパー女史が盲人福音会を設立し、困難な生活を強いられていた成人視覚障がい者の保護と教育を行ったことから始まりました。日本の近代における視覚障がい教育の草創期とともに歴史を積み重ね、 建学の精神であるキリスト教の愛に基づいた私立盲学校として 独自の教育実践を重ね、歩んできました。

 普通部では、3歳から21歳までの視覚障がいと他の障がいを併せもつ重複障がいの幼児児童生徒が在籍し、個々に応じて、コミュニケーションの力を伸ばし、社会的・家庭的な自立をめざした教育に取り組んでいます。1972年(昭和47年)より、無学年制、ティームティーチングの体制を取り入れた独自のグループ編成をしています。2007年(平成19年)には高等部専攻科生活科を設置し、重複障がい児(者)の生涯学習の基盤となる教育を高等部普通科修了後、さらに3年間教育が受けられるようになりました。この専攻科生活科を、普通部における教育の最終の目標にして、幼稚部から一貫した教育を継続的に積み重ねて行けるよう全職員が連携し、一丸となって取り組んでいます。

理療科では、視覚障がいを有する成人の方を対象に、日本の盲学校の伝統的な職業教育の一つである「あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師」の国家資格となる免許状の取得をめざす教育を行っています。理療師としての専門性を高め、社会的貢献を果たしていけるよう、少人数制で、個々の見え方やニーズに応じた分かりやすい授業を心がけ、生徒に寄り添う教育に取り組んでいます。

 本学院の教育の精神は、教員と幼児児童生徒が日々のかかわりの中から互いに学び合い、互いの成長を喜び合える家族のようなかかわり合いをしていくことです。そのために、幼児児童生徒の実態を的確に把握し、今どのような教育内容や教育方法が必要なのかを見極めて保護者と理解を図りながら、幼児児童生徒の健やかな成長を願って、指導していきたいと思っています。

 そして、授業づくりと教材開発、学ぶための環境整備をして、幼児児童生徒が主体的に喜びをもって成長していけるよう、日々の学校生活の中で教育実践を積み重ねて、日本の視覚障がい教育の歴史の一端を担っていきたいと思っています。

学校法人横浜訓盲学院
学院長 笹野信治